様々な要素から勢いのある空気の流れを感じた。
例えば、あるクラシックのバイオリンの一節、垂直に落ちる野球ボール。
前者は、その二音のみをエンドレスで流し、
後者はボールの速度を微妙に変えた映像を繰り返し流すことで表現した。
このインスタレーションは、
他に「竹」の写真や、画像をパーテーションに投影、モニターを使用した静止画の表現が含まれる。
それぞれの要素を組み合わせ、配置することで
ある空気の軌跡をなぞった。

このイメージの根源は、
自分の身体の構造上不可能な動きをしてみたいという欲求から始まる。
そのイメージした動きによって起こる空気の軌跡をなぞった「痕跡」である。


展示会場図

この作品は、どの要素にも私自身の「落ちる」という感覚が共通して存在している。

 「*」は、チャイコフスキー作の「悲愴」のバイオリンのパートのうち、私自身が「落ちる」と感じる連なった2音のみをエンドレスに左右のスピーカーから交互に流した。



チャイコフスキー作の「悲愴」のバイオリンのパートを友人に弾いてもらい、

私自身が「落ちる」と感じる連なった2音のみをエンドレスに左右のスピーカーから交互に流した。


手前に見える34インチのディスプレーに垂直に落ちるボールの映像が流れる。


1.  ボールの速度を微妙に変えた映像を繰り返し流した。



4. 右のディスプレイは元となる写真から「落ちる」という動きを感じる部分のみを投影した。


3. パーテーションの一つ一つの穴を雨粒とみたて、

雨の降っている景色を投影することで、パーテーションの穴がまだらに見える光景を、雨が「落ちている」表現とした。


2.《竹》 2015/ 28.9×17.1cm/ Photo

 この竹に、上から下へきらきらと透明な糸の様なものをまといながら、

その動きよりもさらに早く下へ勢いよく流れ落ちる空気の流れを感じ撮影した。

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